春の月

日々是好日 徒然なるままに 優しく 生きよう

自由に

本当の自分はどこに居るのかと思った。
私は『私』であって、他の誰でもないわけだけど、ずっとずっと自問自答しているとふと、私であって私ではないような私に出会うときがある。

違和感を覚えないわけではないけど、それもまた『私』であることを認めると、新しい自分に出会ったような、不思議な気持ちになった。

弱くて幼くて、我が儘で恐がりな。
そんな私も私。

抱きしめたときにポロリと涙がこぼれた。
『見つけてくれてありがとう』

とてもとても深い海の底。
真っ暗で音もない、けれど優しい場所にもう一人の私はいる。

熟練された素潜りの達人か、深海探査の潜水艦を持ってる人にしか私を見つけることは多分ないと思う。

1度だけ、私を見つけて光の場所まで連れて行ってくれた人がいた。
怖くて潜ってしまう私を笑いながら、何度も手を繋いで浮上していくあの不思議な感覚。

暗くて静かで温かい海の底で、波に揺られてたゆたう事は、ある意味守られていた優しい世界だった。
光あふれる陸地は、キラキラして眩しくてイキイキとしているけれど、自分で息をして大地を踏みしめて歩かなければいけない。

けれど人はそうして生きているのだ。

彼は言う。
海は全ての海に繋がっている。
あなたは自分の意思で、好きな海に泳ぎ出ればいいんだよ。と。
そしてその二本の足で、大地を歩くことも出来るんだよ?
自由に生きてごらん。
生きることを楽しみなさい。

そして今私はここに居る。
可能性も、使命感もなにもわからないけれど、とにかく楽しく生きるということを実践してみようと思う。

新しいチャレンジ。
始まりはやっぱり混沌としている。